建築学部建築の意匠系(デザイン系)に行くということは?
大学の建築学部
大学の建築学部を受験しようとしてる人へ
大学受験で建築学部を受験する人の中で
「なんとなくデザインが好きだから!」「建築ってかっこよくない?」「なんとなく理系の中で行くとしたら建築かなー」
と思っている人向けに書きました。
入ってから後悔しないように建築学部 (デザイン系)とはどんなことをやるのか簡単に説明したいと思います。
大学にもよりますが建築学部に進むと建築計画・意匠系(デザイン)、建築構造系、建築環境・設備系の3つの分野があります。
どの大学もだいたい2生くらいまでは教養科目を習い、3年生から自分の行きたい専門分野の授業を履修、4年生からはさらに自分のやりたいことをやっている教授の研究室に入って学ぶことになります。
なんとなく建築に興味のある人は、大学に入ってから自分のやりたい建築の分野を選択できるので大学に入ってから考えるのがベストでしょう。
今回はその中の意匠系について軽く説明したいと思います。
建築計画・意匠系で学べること
この分野では主に建築設計をメインに学べます。
設計といっても一軒家なのか、集合住宅なのか、あるいは大きなスタジアムだったりオフィスビルなのか、規模は様々です。
しかしこれらすべての設計の共通点は、ただ単にオシャレだったり、奇抜なものを設計するのではいけません。
そこに立つ建物の周辺の地域の歴史観や環境、景観を考慮に入れたり、それを利用する人々のコミュニティや行動をデザインしたり、時には建物のデザインを哲学までに落とし込んだり.......と。
ただおしゃれなもの作るために考えるのではなく哲学、宗教、歴史、芸術、科学、地理などの分野を総合して形(建築)に落とし込むのが意匠建築なのです。
意匠系に進む上での心構え
この分野に進む上で覚悟しなければならないのは、忙しいということです。
1年生から課題の量は多いいです。製図のトレースに、模型作り......。ちゃんと計画通りにやっていれば一夜ずけで終わらせることはないのですが、バイトとか、遊びとかで忙しいと徹夜で終わらせることになります。
提出期限に間に合わないと、さらに新しい課題が毎週出されるので最悪の場合、最終的に全ての課題が出せずに留年ということもあり得ます。
もうひとつの覚悟が、独学による勉強の必要があります。
意匠設計というのは答えのない分野です。なので、ある程度その人独自の感性や世界観などないとアイディアも浮かびません。
そのため大学受験のようなただ敷かれたレールの上をひたすら暗記したりするような勉強ではなく、自分で情報を取りに行かなければなりません。
あの建築家のいっていること、この教授の言っていること、この本に書いてあることなど、互いに矛盾していることもしばしばです。
しかし勉強しないからといって卒業できないという訳ではありません。
しかし何も考えずに意味もなく、模型を作ったり、図面を描いていても大学に高い授業料を払って単純作業をしに行くようなもんです。そんなの機械に任せば良い話です。
でもやっぱり楽しい
1年生の時点で挫折してしまう人が多いいように思えます。
「建築学部って遊べないな」「忙しくて課題も多いいいからやだ」「そもそも建築学部って何がしたいの」
といった学生がたくさんがいます。
意匠設計系というのはそういうものです。4年生の意匠系研究室の先輩たちはみんな学校に泊まり込みです。
しかしそういうことも含めて全て私は楽しいです。
なんていったって答えのないものを探すことに私は魅力を感じています。
友達や先輩と建築トークをしたりするのも楽しいです。お互いの考えを交換し合えば、ウィンウィンな関係を築け深い人間関係を構築できるのも答えのない建築のいいところです。そして気が合えば建築巡りの旅など.....。
とにかく答えがないって楽しい!
大学卒業後の主な進路
大学により割合は変わりますが
- 卒業後は大学院に進学。
- 個人設計事務所(隈研吾設計事務所、伊東豊雄設計事務所など)
- スーパーゼネコン(大林組、清水建設、鹿島建設、竹中建設、大成建設)
- 日経組織設計事務所(日建設計、日本設計)
- ハウスメーカー
設計の能力にとても長けている人は個人設計事務所へ、デザイン性や、独自性には乏しいけど、年収の安定、規模の大きいものを建てたいという人はゼネコンへ、ゼネコンよりかは設計をいっぱいしたい人は日経組織へ、また設計はあまりできないけどそれでも設計関係につきたい人はハウスメーカーなどに就します。